8月8日に迎える立秋で、暦の上では秋を迎えます。とは言ってもまだまだ暑い日が続きます…。
昼間は強い日差しが照りつけていたかと思うと、夕方になって雨が降り出したりして、お天気に振り回されてしまう季節です。
そんな突然の雨を生み出しているのが、大きくもくもくとした入道雲です。
実は入道雲は一年中発生しているのですが、夏の季語にもなっているように、夏場によく見ることができます。
晴れた日の日射によって暖められた空気が上空へ昇り、空気の中に含まれていた水蒸気が冷やされ、水滴や氷の粒へと変化します。それが積雲となり、その積雲が発達したものが入道雲になります。そのため、日差しが強いこの時期によく目にするのです。
積雲は別名「お天気雲」と呼ばれるほど、多くの場合は雨も雪も降らせないのですが、大気の状態が不安定であると入道雲へと発達し、やがて雨をもたらします。
入道雲とは、積雲が発達してできる「雄大積雲」や「積乱雲」の俗称であり、巨大でもくもくとした雲のこと。昼間には可愛らしく浮かんでいたお天気雲が夕方にはすっかり黒くなり大雨を降らせることもあるので、雨に降られないためには雲の動きに注意することが必要です。
そして、入道雲、という名前の由来をご存じでしょうか?入道、つまりお坊さんの坊主頭に似ていることから入道雲と呼ぶようになったそうです。
地域によって岩雲や舞茸雲などいろんな呼び方があるようですが、関東では坂東太郎と呼ぶこともあるのだとか。人の名前?と不思議に思いますが、これは利根川のこと。坂東とは関東平野のかつての呼び名であり、その地域を流れる最大の川である現在の利根川を坂東の長男として坂東太郎と名付けました。そして、その川の方向から生まれる雲ということで、そのまま入道雲を坂東太郎と呼ぶようになったと言われています。他の地域でもこの習慣があり、丹波太郎やら四国三郎なんかがあるそう。日常会話でもさりげなく登場するのかな、少し気になりますね。
入道雲の他にも夏だからこそ見られる空の景色があります。例えばブルーモーメント。
ブルーモーメントとは、空の青色が一層色濃く輝く時間のことを言います。
高緯度地域の北欧などでは長時間見ることのできる現象なのですが、日本では日没後と日の出前のほんのすこしの時間だけ。それも、雲のほとんどない晴れた日に限ります。ゆっくりと暗くなっていく夏はこのブルーモーメントの時間が比較的長いのです。空が青色のみで覆われている風景はいつもと違う神秘的な雰囲気を味わえます。
雲の見当たらないいい天気の日には、ぜひブルーモーメントを狙ってみてはいかがでしょうか?