6月に入り、すっかり梅雨の時期になりました。
雨の日が多くなり、洗濯物が乾きにくいなあと頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか?
ですが、この時期の雨は恵みの雨。
六月には二十四節気でいうところの「芒種(ぼうしゅ)」と「夏至(げし)」をむかえます。
芒種とは、稲や麦など穂の出る植物の種をまく頃のこと。そしてその次にやってくる夏至は、一年でもっとも日が長く夜が短い頃にあたります。まだ本格的な夏には至っていませんが、夏至を境にぐんぐんと気温が上がり、さらに暑くなっていきます。つまり梅雨は、植物が大きく育つよう、これから迎える真夏に備え、大地を潤してくれる雨を取り込む大切な期間なのです。
一口に雨といっても、時期や降り方によっていろいろな呼び方があります。
例えば、五月の雨と書いて「五月雨(さみだれ)」と読む言葉があります。これは、旧暦の五月、つまり今の六月頃の梅雨の時期に降る長い雨のことです。そして、その雨の中で現れる晴れ間のことを「五月晴れ(さつきばれ)」と呼びます。
しかし、新暦での五月は梅雨の時期ではありません。そのため、「五月晴れ(ごがつばれ)」と呼ぶときは、現在の五月のからっとした晴れやかな天気のことをあらわしているのです。少しややこしいですが、昔と今では暦が変わっていることを実感します。
そのほかにも、日照り続きの後に降る雨を「喜雨」と呼んだり、七夕に降る雨を織姫と彦星の涙ととらえ「催涙雨」と呼んだりと、雨の中にも物語を感じることができて面白いですよね。
雨の日はおでかけするのも少しおっくうですが、お気に入りの傘をもって、今日の雨はどんな雨か確かめに行きませんか?