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弥生(やよい)

百花春至って誰が為に咲く

卯月は白い卯の花のが咲く月。卯の花に限らず、白い花の多い季節です。鈴蘭、朴の花、エゴの花、十薬(どくだみ)、山法師、ハゴロモジャミスンなどなど。

白は初夏の印。和暦の卯月は初夏の始まりです。白は新緑の美しさを一層、美しくみせてくれる最良の色といえるでしょう。緑と白のコントラストは目にしみるような清々しさで卯月を象徴しています。ゴールデンウイークに立夏を迎える日本は、衣替えの季節。ゴールデンウイークをすぎると、途端に夏めいてうっすらと汗ばむような陽気に、人間たちも白い衣類を身につけたくなります。白を身につけることが気持ちいい季節ですし、見ている側も眩しい白さに目を細めるような生の喜びを感じずにはいられません。

小満を迎えると、薔薇の季節です。薔薇は江戸時代、春を過ぎても長く咲くことから、長春花と呼ばれていました。「長春」から連想する平和、幸福の象徴として日光東照宮の彫刻にも多く刻まれています。春爛漫の季節を過ぎて咲き続ける薔薇は、まさに永遠に続く春を思わせます。私の家の近所には素晴らしい薔薇を丹精こめて育てている薔薇屋敷があり、その前を通る度に上品な薔薇の香りが花をくすぐります。これもまた、まさに薫風そのもの。

清和月。清らかに和する月は、まさに卯月にふさわしい名で、好きな言葉です。新緑の若葉が繁り、さわさわ、ざわざわと、豊かな葉ずれの音が、薫風の音を奏でています。

鳥来月の名もあるように、朝の鳥のさえずりにうっとりする季節でもあります。青々とした美しい緑と鳥のさえずりが、卯月を代表するものといえるでしょう。鳥たちの恋の季節。盛んに鳴き交わしては、何事かを伝え合い、さまざまな鳥たちが巣作りをし、子育てに入ります。

我が家のリビングからみえる斜め向いの家では、今年もムクドリの子育てが始まりました。滅多に開けなくなった二階の雨戸の戸袋に巣を構えています。入り口は木製の戸袋の小さな取手部分。狭くて、途中に足をかける場所がないため、親鳥は毎回ホバリングして、入るのに大層、苦労しています。一回で入れることは滅多になく、何度も何度もトライして、時には疲れ果てて一旦、電線に戻って羽を休めていることもあります。巣作りに持ってきた長い枝が突っかかって入れなかったりもします。

その懸命な姿に毎年、感動してしまいます。そういえばここ数日、親鳥が近づく度に聴こえていた、あのにぎやかな声を聴いていません。もしかすると、もう巣立ってしまったのかもしれません。小鳥たちの巣立ちは早く、孵化後1週間から2週間と短く、あっという間です。卯月は鳥の数が一気に増えていく季節です。いのちにあふれた卯月は素晴らしい月。日脚ものびて、心も身体も、自然にのびのびとしてきます。

木の葉採月の名は、蚕のために摘む桑の葉を摘むのに忙しい時期であったためです。かつて新鮮な葉しか食べない蚕の世話や、麦秋という言葉もある通り、麦刈りや田植えとも重なるため、農家は「猫の手も借りたい」ほどの忙しさでした。実際、猫はネズミから作物や蚕を守るために大切に飼われていました。実際にネコを貸し借りすることもあったようです。高価な絹は繁栄の象徴でもあり、そこには猫がつきものでした。蚕産業が衰退した後も、富を生み出すイメージから、商売繁盛の縁起物に変化していったのが「招き猫」です。ネコの手というと役に立たないもののように思われていますが、役に立っていたことの証でもあります。

蚕の繭

この時期に旬を迎えるそらまめは、細長い豆の莢(さや)が蚕の姿に似ていることから「蚕豆」の字をあてています。

睦月(むつき)
如月(きさらぎ)
卯月(うづき)
皐月(さつき)
水無月(みなづき)
文月(ふみづき)
葉月(はづき)
和風月名コラム「長月(ながつき)」
神無月(かんなづき)
霜月(しもつき)
師走(しわす)
和文化研究家 高月美樹
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