神宮の祈年祭 (きねんさい)(平成27年2月17〜23日)
祈年祭は「としごいのまつり」とも呼ばれ、春の耕作始めの時期にあたり、五穀の豊穣をお祈りするお祭で、秋の新嘗祭(にいなめさい)と相対するお祭りです。神宮では、まず大御神にお食事をお供えする大御饌(おおみけ)の儀が行われ、続いて天皇陛下のお使いである勅使(ちょくし)により幣帛(へいはく)が奉られる奉幣(ほうへい)の儀が行われます。
春の祈年祭と秋の新嘗祭は古くからの農業神事で全国の神社でも行われています。 五穀豊穣をもたらす「山の神」は、春になると山から降りてきて「田の神」となり、農作業を見守り、秋の収穫が終わるとまた山に帰っていくと考えられていました。この春の祭りには、「山の神」の神迎え、そして相対する秋の祭りには、「田の神」の神送りの意味もあったのでしょう。
「祈年祭」は、年を祈る祭りと書きますが、「年」とは 稲(穀物)を意味します。(稲は、年に1回稔ることから、転じて穀物の成熟すること、もしくは穀物そのもの)すなわち、稲穂を蒔く季節の初めにあたって、その年の豊穣を祈願するわけです。
いいかえれば人間の生命の糧(かて)を恵んでくださるようにと神さまにお祈りするお祭りといえるでしょう。
こうしたことから、秋に収穫された一粒の米にも神さまの御霊(みたま)が宿ると考えられているのです。
食べ物を大切にするという日本人の習慣は、こんな所に根付いているのかも知れませんね。
二十四節気と七十二候をその季節の旬とともに紹介します。
是非ご覧ください。>>>二十四節気と七十二候
和文化研究家 高月美樹さんによる
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