神迎祭(かみむかえさい)【旧暦10月10日】(平成26年12月1日)
旧暦10月は、全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲の国に集まる月です。他の土地では神様が留守になるので神無月(かんなづき)といいますが、出雲では神在月(かみありづき)と呼びます。
神々が集う出雲の各神社では「神迎祭(かみむかえさい)」に始まり、「神在祭(かみありさい)」そして、全国に神々をお見送りする「神等去出祭(からさでさい)」が行われます。
国譲り神話の舞台でもある稲佐の浜で、神々をお迎えする神迎神事(かみむかえしんじ)が行われます。
夜の7時、浜で御神火が焚かれ、注連縄が張り巡らされた斎場の中に神籬(ひもろぎ)が2本、傍らに神々の先導役となる竜蛇神が海に向かって配置されます。
神事が終わると、神籬は両側を絹垣で覆われ、龍蛇神が先導となり出雲大社へ向かいます。高張提灯が並び奏楽が奏でられる中、参拝者が続き、浜から出雲大社 への「神迎の道」を延々と行列が続きます。
この後、出雲大社神楽殿において国造(こくそう)以下全祀職の奉仕により「神迎祭」が執り行われます。
これが終わると、ようやく神々は旅(宿)社である東西の十九社に鎮まられます。
全国から集まられた神々は旧暦10月11日から17日まで7日間、出雲の地で神事(幽業、かみごと)、すなわち人には予めそれとは知ることのできない人生諸般の事などを神議り(かむはかり)にかけて決められるといわれています。
男女の結びもこのときの神議りであるといわれています。
この祭事期間、神々の会議や宿泊に粗相があってはならぬというので、土地の人は歌舞を設けず楽器を張らず、第宅(ていたく)を営まず(家を建築しないこと)、ひたすら静粛を保つことを旨とするので、「御忌祭(おいみさい)」ともいわれています。
こんなところにも、日本人の気質があらわれていますね。
二十四節気と七十二候をその季節の旬とともに紹介します。
是非ご覧ください。>>>二十四節気と七十二候
和文化研究家 高月美樹さんによる
季節の和暦コラム>>>和暦コラム
和文化研究家 高月美樹さんによる
旬の食を紹介するコラム>>>旬のコラム