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時雨

神無月ふりみ降らずみ定めなき 時雨ぞ冬のはじめなりける(和漢朗詠集)
夕日かげ群れたる鶴はさしながら 時雨の雲ぞ山めぐりする (藤原定家)
初時雨猿も小蓑を欲しげなり (松尾芭蕉)
初冬は雨の多い季節です。その思いがけない冷たさに、いよいよ冬の始まりを感じます。春時雨、秋時雨といいますが、時雨といえば初冬の季語になります。走り抜けるようにぱらぱらと降っては止むことから、片時雨、村時雨、夕時雨、小夜時雨、山めぐりなど、さまざまな表現があります。雨に濡れて鮮やかに燃え上がる山の錦繍は、ほの暗い闇に浮かぶ金屏風のように幽玄の世界を彷彿とさせます。金屏、銀屏とともに、本来風を防ぐものであった衝立も冬の季語です。「山より出づる北時雨、山より出づる北時雨、行方や定めなかるらん」これは謡曲『定家』の冒頭の詞章。藤原定家が百人一首を編纂したのは小倉山の「時雨亭」、また松尾芭蕉の忌日は旧暦十月十二日であることから「時雨忌」と呼ばれています。

雁が音

雁の鳴く声は「雁が音」ですが、哀愁ある鳴き声が古来、多くの人に愛されたことから、雁一文字でもかりがねと読ませます。雁金屋(かりがねや)といえば、琳派を代表する尾形光琳の生家の屋号。絵画のような美しい小袖を一手に供給した京都の呉服商でした。光悦や宗達の影響を受けた光琳は大胆な構図で、日本の美術界を革新しました。のちに大流行した「光琳模様」は、簡略化されたどこかユーモラスな意匠。笑い梅、光琳菊、千鳥など、現在も広く使われています。

光琳模様

雁来紅

『枕草子』に、雁を待つ花として「かまつか」の名で登場します。別名、葉鶏頭(はげいとう)。インド原産の植物ですが、古くから観賞用として栽培されてきたようです。北から雁が飛来するころ、葉が花のように艶やかな赤や黄色に色づくことを容易に想像することができるネーミングです。動植物の命の循環を観察し、重ねて伝えることができる日本語は奥が深く、季節を知る手がかりになる言葉がたくさんあるようです。

秋の蝶

肌寒く冷えこみが増す仲秋を迎えても、蝶は次々に生まれて、宙を舞う。
最後の力をふりしぼるように花の少ない住宅地をあてどなく飛んでいるときもあれば、相手を見つけて楽しそうに乱舞する姿も。盛りを過ぎるがゆえに情趣を感じさせる「秋の蝶」は季語になっています。蝶の命はわずか1、2週間。春に生まれた蝶は、秋になるまで何度も世代交替を繰り返しています。晩秋にさなぎになった揚羽蝶はサナギのまま冬を越し、翌年の春に羽化するのだそうです。時に弱々しく、時にたくましくも見える秋の蝶。小さなしじみ蝶もよくみかけます。

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暦文化振興協会理事長中牧先生に
よる月2回の暦講座です。