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日本カレンダー暦文化振興協会 中牧弘允

古代エジプト太陽暦の伝統をひくコプト暦とエチオピア暦

日本カレンダー暦文化振興協会 中牧弘允

国立民族学博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉
教授。吹田市立博物館館長。専攻は宗教人類学・経営
人類学。

もうすぐクリスマス

クリスマスが近づくとヨーロッパではアドベントカレンダーが子供のいる家に飾られます。一般的なのは紙製のもので、冬景色の民家やクリスマスツリーの絵に121日から25日までの日付がついています。日付の部分は両開きに開けられるようになっていて、指折り数えてクリスマスを待ちわびるという趣向です。凝ったものになると、チョコレート等のお菓子や飾り物など、日毎に異なったものが詰まっています。子どもたちにとっては「もういくつ寝るとクリスマス」といった感じの楽しみなのでしょう。

アドベントカレンダー

アドベントとは?

こども

アドベントとはキリスト教の待降節(カトリック、ルーテル教会)あるいは降臨節(聖公会)のことです。「到来」を意味するラテン語が語源で、「キリストの到来」=クリスマスにいたる約4週間のことを指します。教会暦では1130日の「聖アンデレの日」にもっとも近い日曜日からはじまります。しかし、子ども向けのアドベントカレンダーはふつう121日が開始日です。

ドベントカレンダーの歴史

アドベントカレンダーは19世紀の初めにドイツのルーテル教会(ルター派)がはじめたといわれています。現存する最古のものは1851年の手づくりのもので、印刷されたカレンダーとしては20世紀初頭にハンブルクでつくられたものがあるそうです。そして、ドイツからフィンランドやスウェーデンなどルター派の強い北欧へ、あるいはドイツ語圏のオーストリアなどに広がり、さらには宗派を越えてイギリスやフランス、アメリカやカナダに伝播していったのです。いまでは中南米やオセアニア(オーストラリアやニュージーランド)、さらには日本にも伝わり、子どもたちの人気を集めるようになっています。ただし、東欧やロシアなどの東方正教会にはアドベントという概念はなく、教会暦にも民間の慣習にもアドベントカレンダーは存在しません。

ドイツ

クリスマスのイメージはどこから?

モミの木

ところで、トナカイに乗ってやってくるサンタクロースのイメージがモミの木のクリスマスツリーとともに世界を席巻しています。これは北欧系のアメリカ移民がニューヨーク(旧ニュー・アムステルダム)ではじめ、アメリカ経済の影響力のもと次第に全世界に広まった慣習とみられています。

サンタクロースの正体

サンタクロースは聖ニコラウスと同一視されていますが、オランダのシンタクラースの例は興味ぶかいものです。シンタクラースの日は126日です。かれは長い白髭をつけ、赤い聖職者風の帽子をかぶり、赤マントをまとい、従者をしたがえ白馬に乗ってやってきます。そして5日の晩に、良い子にはプレゼントを配り、悪い子にはお仕置きをするのです。秋田の「なまはげ」をおもいだすような聖人です。聖ニコラウスはギリシャの生まれで、トルコで司教となりました。隣の家の煙突から金貨を投げ入れ、3人の娘の結婚をたすけたという伝説や、塩漬けにされた3人の子どもを生き返らせたという奇跡譚が伝わっています。

 
サンタクロース

馬に乗ってやってくるシンタクラース

シンタクラース

5日(イブ)のシンタクラースはスペインから船でオランダにやってきます。そして馬に乗って屋根伝いに子どもたちの家々を訪問し、その従者が煙突からプレゼントを配ります。子どもたちは暖炉に靴下をぶらさげ、プレゼントを心待ちにするのです。いっぽう、24日(イブ)にも最近はサンタクロースが来るようになりました。その場合、馬はトナカイのソリとなり、北欧風の赤いサンタ帽と赤いサンタ服を身につけています。オランダではサンタクロースのほうが新しい習俗なのです。とはいえ、子どもたちにとってはプレゼントをもらう機会が増えたわけで、「一粒で二度おいしい」のがクリスマスなのです。