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今回は山の日のルーツについて学んでみましょう! こよみの博士ひろちか先生
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日曜はじまり?月曜はじまり?

カレンダーの日付(数字)の色については世界標準の決まりはありません。しかし、週日が黒で、日曜日と祝日は赤というのが定番です。ところが、日本では土曜日を青にするカレンダーがちらほら出まわっています。

京都国立博物館で開催された「国宝展」(2017年秋)で売り出された2018年版カレンダーを見ると、週は月曜はじまりで、土曜日は青、日曜日は赤となっています。さすがに週番号は付いていませんが、近年の趨勢を如実に反映しているかのようです。

イラスト1
日曜・月曜はじまりの由来

土曜日を青にするようになったのは、いわゆる週休2日制と関係しています。1973年の第1次オイルショックが引き金となり、電気の節約ムードの高まりのなか、土曜日を休業日とする企業が増えました。それに対応し、多くのカレンダーが1974年版から土曜日を青に表示するようになったのです。一般企業では週休2日制はそれ以降も次第に定着していきますが、国家公務員が週休2日になったのは1992年のことです。公立学校に至ってはさらに10年遅れ、2002年からとなります。このように週休2日制は徐々に浸透していきましたので、カレンダーもそれに歩調を合わせていったものと推測されます。

イラスト2

では、オイルショック以前に土曜日を青にするカレンダーがなかったかといえば、そうではありません。新日本カレンダーでは1969年版から蛍光文字カレンダーで採用していますし、東京のトーダンでは1961年版のアルプスカレンダーから青色表示がはじまっています。また、半日勤務のいわゆる「半ドン」の土曜日に合わせ、グレー表示にすることもトーダンでは1964年からはじめています。

月曜はじまりスケジュールの定着

つぎに、なぜ青なのかという疑問にも答えなくてはなりません。それはどうも印刷技術と関係しているようです。というのも、印刷の4原色は黄、赤、青、黒となっていて、赤は休日、黒は平日に使われているので、残りは黄と青となります。黄色は地の色と対比するとあまり目立ちません。青はそれに対し、赤や黒ほどではないにしろ、はっきりしています。もちろん合成色という選択もありますが、色ずれをおこしやすいという難点があります。というような事情で、青が第3の色として選ばれたのは自然のなりゆきだったのでしょう。

イラスト3
日曜・月曜はじまりの由来

さて、海外のカレンダーでは土日の色づかいはどうなっているのでしょうか。まずヨーロッパについて手持ちのカレンダーを調べてみると、約半数は週日・土曜が黒で日曜・祝日が赤です。しかし、残りのカレンダーは組み合わせが複雑で、日曜日が黒で土曜日が青というのもあれば、日曜日が赤で週日と土曜日が青というのもあります。また、週日は黒で、土日はそろって青というのもありました。週日が黒で土日が緑というものもあれば、週日と土曜日は黒で日曜日が青という組み合わせも見つかりました。

イラスト4

アメリカやブラジルでは日曜・祝日は赤にするものの、土曜日は週日とおなじものが大多数でした。つまり、土曜日にあまり意味を与えていないのです。中国では土日を赤やピンクにするもの、土曜日は緑で日曜日は赤とするものがありました。意外だったのは中国の仏教や道教のカレンダーでは祭日のみが色つきで他は週日・週末にかかわらず黒だったことです。韓国の仏教カレンダーでは週日・土曜日は黒、日曜日は赤でしたが、旧暦の日付に青を使っていました。

ユダヤ教のカレンダーには週日と日曜日が黒で、安息日の土曜日が青という例がありました。イスラーム圏のカレンダーでは集団礼拝日の金曜日を赤にするものや、授業のない木曜日と金曜日を赤にする大学カレンダーがありました。

東南アジアに目を転ずると、日本同様、土曜日を青、日曜日を赤とするべトナムやフィリピンのカレンダーがある一方、ミャンマーの華人用には週日が青で土日が赤という二色刷りもありました。

まさに色々です。

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日本カレンダー暦文化振興協会 理事長

中牧 弘允

国立民族学博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授。
吹田市立博物館館長。専攻は宗教人類学・経営人類学。

中牧弘允 Webサイト
吹田市立博物館Webサイト

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